徒手療法の世界に身を置いて
第21回 気づきこそが最高の勉強

3人寄れば文殊の知恵

科学新聞社のセミナーやイベント、Webセミナー後の懇親会でお付き合いのある先生方とKYT徒手療法研究会(前 四国徒手療法研究会)を立ち上げ、2か月に一度のペースでWeb勉強会を開催しています。6月はK先生の症例報告でしたが、参加している先生方も施術者として活動していますから、症例報告ってちょっと気が重くなりますよね。

一人で施術活動をしていると、どうしても患者さんの診かたが偏りがちになりやすく、改善できているときは良いのですが、上手く改善できないときは最悪です。思考の負のスパイラルが始まります。

また、上手く改善できているときでも、患者さんのために「他に良い方法はないのか?」「どこか見落としはないか?」「もっと早く回復させられるようにはならないのか?」など日々課題が出てくると思います。

そんなときこそ「アウトプット」のチャンスだと思います。診かたや考え方の違う先生に話を聞いてもらうと、それまで気づかなかったアイデアが出てきます。

「でも」「だけど」「そうなんですけど」はタブー

以前も書いたかもしれませんが、よく受講していただいている先生方から質問を受けます。質問って自分の中で答えが見つからないからするものだと思いますが、質問した先生から「でも」「だけど」「そうなんですけど」と言われると、「この先生、なんのために聞いてきているのかな?」と思ってしまいます。

質問をするのも良いことですし、質問されるのも嬉しいですが、「でも」「だけど」「そうなんですけど」と続ける先生は、自己満足(自分が解りたいとか自分の考えを肯定して欲しい)で聞いていて、その先にある「患者さんを良くしたい」という気持ちがあまり見えてきません。

アウトプットする方もアウトプットされた方も、「でも」「だけど」「そうなんですけど」をやめて、「そうですね」「なるほど」「やってみます」に置き換えるだけで、得るものはたくさん出てくると思います。

意見は否定ではなく、「伸びしろ」「課題」

症例報告会では「こういう診かたもあるんじゃないですか?」「ここはどうしてそうなったんですか?」など言われることも多いですが、それは参加されている先生方が皆さん臨床に対して真剣だからこその意見です。これを「否定」と取ってしまうと、とても先には進めません。先に進めないということは施術家としても、患者さんの「良くなるチャンス」を奪うことになりかねません。

ここに気づかずにアウトプットに億劫になっているのであれば、すごくもったいない気がします。症例報告でもセミナー中の質問でも、なんでもいいのでとにかくアウトプットしていきましょう! アウトプットして自分の「伸びしろ」に気づけば、施術家としてだけではなく、人としても成長していけるのではないでしょうか?

自分自身もこのコラムを書かせてもらいながら、「アウトプット」しながら自分の「気づき」や「伸びしろ」を見つけています。


辻本 善光(つじもと・よしみつ)

現在、辻本カイロプラクティックオフィス(和歌山市)で開業。
現インターナショナル・カイロプラクティック・カレッジ(ICC、東大阪市)に、22年間勤め、その間、教務部長、臨床研究室長を務め、解剖学、一般検査、生体力学、四肢、リハビリテーション医学、クリニカル・カンファレンスなど、主に基礎系の教科を担当。
日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)学術大会でワークショップの講師を務め、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)設立当初には試験作成委員をつとめる。
現在は、ICCブリッジおよびコンバージョン・コースの講師をつとめ、また個人としてはカイロプラクティックの基礎教育普及のため、基礎検査のワークショップを各地で開催するなど、基礎検査のスペシャリストとして定評がある。


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