岡井健DCのI Love Chiropractic ! 
「知識を知恵に、技術を技に」

 カイロジャーナルの読者の皆さん、お元気でしょうか? 久しぶりの投稿となります。ということは、毎年恒例の私のセミナー、マイプラクティスが近づいてきたということです。今回のタイトルは私の大好きな言葉です。「知識を知恵に、技術を技に」という言葉です。

 ネットが普及した現在、私たちはいつでもどこでも様々な情報を無料で容易に手に入れることができるようになりました。なんと素晴らしいことでしょう。しかし、何事においても 良いことがあれば、悪いこともあるということを忘れてはいけません。ネットの情報や動画で自分が実際に体験していないことでも、自分があたかも体験したような気になったり、ある事に精通している気になって、勘違いしたりしてしまいます。これは恐ろしい勘違いです。

 例えば旅行にしても、ネットで動画を観れば、いろいろな人が世界中に旅している姿を観ることはできます。だけど、カメラを通して観る世界と、実際にその場に行って観るのとでは大きな違いです。疑似体験は、本当の体験ではないのです。カメラに写っていない周りの景色、風の匂いや肌で感じる空気感、画面では伝わらない微妙な色のグラデーション、人々と直接交わす言葉や笑顔。そして、不安や緊張感、驚き、喜びなどの感情は、その場に自分で出かけてこそ感じるものです。

 情報が簡単に手に入る代償として、私たちは自分で体験や経験をして身をもって理解することを忘れてしまっています。それによって実際に体験して感動するということに慣れていないとも言えます。治療法だって、ネットで手軽に真似できることを寄せ集めている方が増えてきています。

 実際に自分が優れた先生から直接伝授されて、それをまた何年もかけて実践し、研鑽し築き上げた技を持っている人の数はどんどん減っていくでしょう。誰にでもできる簡単な技術の寄せ集めとネットで集めた知識だけでは、年月をかけて実践や経験を通して、数え切れない試行錯誤をして確認したり、考えたりして培った知識でないので応用も利きませんし、すべてが薄っぺらいのです。

 それでもいいじゃないか、という人がいるのはわかりますが、レベルの高い知恵や技の伝承がなくなって、先人が築き上げた素晴らしいものが絶えていくのは、とても残念なことですし、もったいないことです。カイロプラクティックの世界でも、アジャストメントという難しい技を、十分にマスターしていないカイロプラクターが増えています。私のところに来る患者さんからも「カイロプラクティックに行ったことはあるけど、こんなアジャストメントは受けたことがありませんでした」という言葉を聞きます。私のアジャストメントが特別なのか、それともその方たちが行ったというカイロプラクターの技量がまだまだだったのかはわかりません。

 私はロサンゼルスのカイロプラクティック大学を卒業し、ドクターとなって30年以上が経ちますが、未だに知識を知恵に、技術を技にしたいと思って研鑽を続けています。皆さんの多くもきっと同じ思いだと思います。自分にしかできない優れたアジャストメントを追い求めて、命絶えるその日までその研鑽は続くのです。なんと幸せなことでしょう。

 願わくは、一人でも多くの方に私の技を直接見て感じて、そこから何かを学んでいただければと思います。「もう岡井から学ぶものなどない」という方が増えれば、それはそれで喜ばしいことです。それが、もし勘違いであれば、その方は大きな成長のチャンスをみすみす見逃していることになります。

 理解しているつもりで理解していない、知っていたつもりで忘れてしまっている、できているつもりでできていないのが人間です。何度でも何度でも同じことを愚直に学び、試すことで初めて物事の真理が見えてくるものです。自分が少しずつ成長できるように刺激を貪欲に求め、知識や技術を、身をもって学んでほしいと願うばかりです。

 私がいつまで日本でセミナーを続けるかは、必要とされ続ける限りと思っています。皆さんにいつまでもそう思ってもらえるように、私も研鑽を続け、知識を知恵に、技術を技にしていけるように頑張っていきます。

 最後に、今年のセミナーの懇親会は屋形船で一人でも多くの仲間と、美味しい揚げたての天ぷらと酒で、気楽に楽しく語り合いたいと思っています。ぜひ多くの方に参加していただきたいですね。一生の思い出となる大切な体験となるはずです。皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

11月25,26日開催「岡井健のマイプラクティス」詳細・お申し込みはこちら


岡井健(おかい たけし)DC
1964年7月4日、東京生まれ。福岡育ち(出身はこちらと答えている)。
福岡西陵高校を卒業後、1984年単身アメリカ、ボストンに語学留学。その後、マサチューセッツ州立大学在学中にカイロプラクティックに出会い、ロサンジェルス・カレッジ・オブ・カイロプラクティック(LACC)に入学、1991年に同校をストレートで卒業する。
在学中はLACCでのディバーシファイド・テクニックに加え、ガンステッド、AK、SOTと幅広いテクニックを積極的に学ぶ。
1992年、カリフォルニア州開業試験を優等で合格。1991年から1995年まで、カリフォルニア州ガーデナの上村DC(パーマー大学出身)のクリニックで、アソシエート・ドクターとして勤務した後、サンフランシスコ空港近郊のサンマテオにて開業。2001年にはシリコンバレーの中心地、サンノゼにもクリニックを開業し、サンフランシスコ・ラジオ毎日での健康相談や地方紙でのコラム連載でも活躍。
2022年8月に27年間経営したカリフォルニアのクリニックを無償譲渡し、2022年9月よりハワイ島コナに新たにクリニックを開業。庭仕事、シュノーケリング、ゴルフを楽しんでいる。
また、積極的に留学中の学生たちの面倒を見、その学生たちの帰国を皮切りに日本での活動を始める。科学新聞社(斎藤)との縁は、2005年に出版した「チキンスープ・シリーズ カイロプラクティックのこころ」の監訳に始まり、以降15年以上にわたって出版物、マイプラクティス・セミナ、カイロ-ジャーナル記念イベントなど、またカイロプラクティック・クラブとして「ソウルナイト」(スタート時はフィロソフィーナイト)など、ありとあらゆる場面で協力関係にある。

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