徒手療法の世界に身を置いて 第18回
これまでを振り返って

新年度のスタートにあたって、徒手療法に身を置くことになった自分自身を振り返らせていただこうと思います。私事ですが、3月19日に娘が無事大学を卒業することになり、入れ替え制で対面式の卒業式が行われました。月日が経つのはホントに早いものですね! また一昨年からやらせていただいているWebセミナーも、この5月で第6期が終了いたします。この第6期の内容をベースに実技部分をパッケージした対面セミナーを、東京で今月から年内の祝日4回を利用してやらせていただくことになりました。対面セミナーもWebセミナーも精一杯やらせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。

徒手療法家としてのスタート

私がこの業界に入ったのは高校卒業にあたり、はじめは理学療法士の道を選びました。自分が陸上競技を通じて、自分のケガや周りのケガをして試合に出ることができない仲間たちを目の当たりにし、体の不調をただすために何かできないものか、と考えたからです。

当時、理学療法士のための学校は大阪でも少なく、定員20名1クラス、そこに何百という受験者が集まり、競争率が高くあえなく断念。その後、友人の紹介で当時の日本物療医学専門学院に入学しました。

日本物療医学専門学院の卒業前にカイロプラクティックの授業があったのですが、「なんか面白そう」という興味本位で国際カイロプラクティック専門学院に編入しました。カイロプラクティックの施術を受けたこともなく、何をするのかわからなかったのが「なんか面白そう」という興味につながったんだと思います。

講師としてのスタート

国際カイロプラクティック専門学院を卒業後、アルバイト先の脳神経外科での就職も「今はアルバイトで十分だから」という病院の意向もあり、どこに就職しようと思っていた矢先、講師をやってみないかと声がかかり、気軽な気持ちでお世話になることにしました。

講義を持つようになってからは、学生の時よりもはるかに勉強しなければなりませんでしたが、講義の準備で資料を作成していくうちに学生の時には「ふぅ~ん」と思っていたことが「そうだったんや」と気づきに変わってきました。

その中で、同じ患者さんを違う先生が違うやり方で施術しても、良くなっていくのを間近で見ているうちに、「どうして違うやり方で施術しても治るのか?」という興味が湧き、そうこうしているうちに、「どんな方法でも患者さんの悪いところを見つけて施術すれば良くなる! じゃ、どうやって悪いところを見つけるのか」ということがきっかけで特に検査の勉強を始めました。

セミナー活動のスタート

セミナー活動を通してたくさんの徒手療法家の先生とお会いすることができました。そんな中で「検査の不確かさや不足、一つの理論に固執してしまう」というのが、上手く施術を進めていけない先生の共通点でした。それらの先生方は両極端で、ほとんどセミナーなどで情報を集めることをしていないか、結果を早く出したいという気持ちからか、セミナーショッピングを繰り返していました。

正直、すごく遠回りしているなぁというのが率直な感想です。結局のところ患者さんの悪いところがわからないのに、施術しても良くなるはずがありません。

たどり着いたのが、基本(間違いの少ない知識や方法)をしっかりやっていこうということになりました。しかし、検査一つとっても患者さんあってのことで、Webセミナーだけではすべては伝わりません。同じ検査の陽性でも、患者さんが違えば施術するところは変わるかもしれません。だから、どんな患者さんに対しても柔軟に対応できるスキルが必要になってきます。

今回、コロナで対面セミナーが難しくなりWebセミナーで講師をさせていただいていますが、この対応力に関してはWebではなかなか伝えることができませんでした。コロナのお陰で対面セミナーの長所と短所、Webセミナーの長所と短所がはっきりと見えました。

徒手療法家は施術者であってマニアではない

私たち徒手療法家は患者さんのために勉強もすれば練習もします。勉強した知識を患者さんに実践することで施術者として成り立ちます。それを実践するためには練習しないといけません。

Webという便利なツールは、どこにいても知識を得ることができますが、実践する、練習する、試してみるということができないのです。

今回、また科学新聞社の斎藤さんから「対面セミナーやってみるか?」とお声がかかり、喜んでやらせていただくことにしました。講師としては願ったり叶ったりです。聴いてわかることがあります。視てわかることがあります。触ってわかることがあります。

Webで得た知識を、臨床にどう結び付けていけばいいにか? 実際に実践できる場を与えていただきましたので、精一杯伝えたいと思います。聴いているとできそうな気がするのに・・・、今一つしっくりこない・・・、などとお悩みがある方は是非ご参加いただければ幸いです。


辻本 善光(つじもと・よしみつ)

現在、辻本カイロプラクティックオフィス(和歌山市)で開業。
現インターナショナル・カイロプラクティック・カレッジ(ICC、東大阪市)に、22年間勤め、その間、教務部長、臨床研究室長を務め、解剖学、一般検査、生体力学、四肢、リハビリテーション医学、クリニカル・カンファレンスなど、主に基礎系の教科を担当。
日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)学術大会でワークショップの講師を務め、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)設立当初には試験作成委員をつとめる。
現在は、ICCブリッジおよびコンバージョン・コースの講師をつとめ、また個人としてはカイロプラクティックの基礎教育普及のため、基礎検査のワークショップを各地で開催するなど、基礎検査のスペシャリストとして定評がある。


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