徒手療法の世界に身を置いて 第53回
「できてますか、セットアップ?」
アジャストメントの要素となるといくつかありますが、今回はP.P.(患者の肢位)について少しお話しさせていただきます。
アジャストメントの要素
まずアジャストメントの要素には、コンタクト・ポイント(術者側)やセグメンタル・コンタクト・ポイント(患者側)、ボディドロップなど術者側のものが多く挙げられますが、忘れがちなのが患者の肢位です。テクニック教本などを見ると、よく骨盤・腰椎のテクニックは側臥位で、という風にざっくりと書かれていることが多ですが、細かなテンションについては感覚頼みになることが多いように感じられます。感覚も大切な要素であることは間違いないことですが、感覚に頼りすぎると再現性という面ではムラが出てきてしまいます。
アジャストメントを左右するP.P.(患者の肢位)
アジャストメントが上手くできないという質問をよく受けますが、その内容を聞くとボディドロップなど、スラストの練習に時間を割いているようで、どうもセットアップが上手くいっていないようです。良いセットアップとは、患者さんが楽に受けることができ、術者も力まずにアプローチすることができる関係が一番良いのではないでしょうか?
テンションが必要不可欠
良いセットアップに必要なのが、テンションです。テンションをどこまで取るのか、どう取るのか、ということが理解できていないと上手くいったり、いかなかったりします。取り過ぎてもいけないし、取らな過ぎてもいけません。適度な量を知る必要があります。
モーション・パルペーション(MP)の延長にアジャストメント
MPの延長にアジャストメントがあるとよく言われますが、セットアップのときによくMPの要素を取り入れています。MPはご存じの通り、関節の最終可動域における最終域感を評価するものです。このMPをセットアップに取り入れることにより、より適切なものに近づいていくことになります。
段取り8割、仕事は2割と言われますが、アジャストメントの成功はスラストを加える寸前には決まっているかもしれませんね。
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辻本 善光(つじもと・よしみつ)

東大阪市にあったインターナショナル・カイロプラクティック・カレッジ(ICC、旧・国際カイロ)に22年間勤め、その間、教務部長、臨床研究室長を務め、解剖学、一般検査、生体力学、四肢、リハビリテーション医学、クリニカル・カンファレンスなど、主に基礎系の教科を担当。
(一社)日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)の学術大会ではワークショップの講師を、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)の設立当初には試験作成委員を務める。ICCブリッジおよびコンバージョン・コースの講師、また個人としてはカイロプラクティックの基礎教育普及のため、基礎検査のワークショップを全国各地で開催するなど、基礎検査のスペシャリストとして定評がある。
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