岡井健DCのI Love Chiropractic !
「テクニック・セミナーを終えて」
皆さんお元気ですか? 11月となり、日本もとても良い季節になってきたのではないでしょうか。日本のニュースを観ていると熊騒動で大変なことになっているようですが、ハワイには熊はいませんし、私の嫌いな蛇もいません。一番大きな野生の生き物は黒豚ぐらいですが、ブタは庭を荒らすことはあっても人間の姿を見ると一目散に逃げていきますので、身の危険を感じずに暮らせます。
さて先月、10月に東京でカイロプラクティック・テクニック・ベーシックセミナーをさせていただきました。今年6月のOne Dayセミナーのときにリクエストが多かったのでお応えしたのですが、やってみて本当に良かったと思いました。何が良かったかと言うと、いろいろあるのですが、何よりもテクニックを基本から見直すことによって、知らず知らずのうちに乱れたり、緩んでいたりした自分のテクニックというもの見直し、正すことができたことです。これは参加者の皆さんも同じだったと思います。ベテランのDCから、まだ経験の浅い方まで、さまざまな方が参加してくださいました。特にベテランの先生方は、きっと私と同じ感想を持たれたと思います。経験の浅い方たちは、私の本などで一生懸命勉強していたことが生で見られ、感じることができて、また直接指導を受けることで、勘違いを正したり、肌感覚で吸収することができたりすることは、本当に大きかったと思います。
セミナー当日は、私は半袖Tシャツで汗だくになって指導させていただきましたし、休憩時間は参加者を実際にアジャストして、私のアジャストメントを肌で感じていただきました。また骨盤のクラスでは、参加者全員に私自身にセットアップしていただき、仙腸関節でのテンションのつくり方を、私の体を通して感じていただきました。セミナー後は、しばらく腰が痛くなりましたが、翌日には解消されていました。参加者の皆様に感謝のメールを送り、感想をいただきました。皆さん概ね大満足であったようです。良かったです。
セミナーの準備をするのに、自分で執筆した本を何度も読み返し、セミナー用のパワーポイントを作成する作業の中で、自分のテクニックの基本形に立ち戻れたことは、私にとってもとても価値があることでした。そのお陰で患者さんたちへのアジャストのキレが格段に増したのは言うまでもありません。自分自身のテクニックの本を読んで、自身が未だに学びが多いと思うのですから、他の参加者はもっと学びを感じたはずです。
参加者から聞いた話では、日本ではなかなかこのようにテクニックの直接指導を受けることが難しいし、私のようなベテランの先生からとなると、さらに難しいようです。私はストレート・カイロプラクターではありませんが、アジャストメントにはストレートの先生方に負けない拘りを持っています。私が既存のテクニックの良きところを学び、疑問に感じるところや改良できるところを、長年かけて研究してつくり上げたものです。私のテクニックのポジショニングやコンタクト・ポイントなど、細かなすべてに理由があります。それを伝えて実践していただければ、私にとってそれ以上の喜びはありません。
私の本を持っているが、私から直接指導を受けたことがない方は、ぜひ勇気を出して私のセミナーに参加して欲しいですし、過去に指導を受けて以来しばらく参加できていない先生も、今一度基本に立ち戻ってテクニックを見直すことの大切さを忘れないで欲しいです。私が自分のテクニックブックを読んで反省したぐらいですから、業界のすべての先生にも同じことが言えるはずです。一番怖いのが、自分は今のままでいいし、どうにか診療もできているからと、安易な学びで満足してしまって、ガッツリと基本から学び直すことの大切さを忘れてしまうことです。
30年以上アメリカで多くの臨床経験を重ね、何冊も本を出版し、毎年セミナーをしている私でさえ、基本の大切さを痛感しているのに、あなたにその必要がないというのはおかしな話です。皆さん基本が大切なことぐらい百も承知でしょう。しかし、そのためにちゃんと基本からしっかりと見直すことを、実際にやっている人がどれぐらいいるでしょう。私は9割の方が不十分なのではないかと思っています。
今回のセミナーは、とても良いものであったと思うし、残念ながら参加しない選択をした方々は、本当に大変残念なことをしました。これからも、この業界のアジャストメント力の底上げをするために頑張っていきたいと思いますが、セミナーが必要な方に限って参加しないという、業界衰退の典型パターンを打破するために、しつこく皆さんにメッセージを発していきます。忙しいからと言い訳をするのは簡単です。しかし、自分自身や自分のクライアントのために、自分に投資するお金や時間はかけがえがない大切なものです。どうか多くの方に、そのことをしっかりと考え直していただきたいと願っています。
最後に皆さんに厳しい問いを投げかけたいと思います。「あなたは基本をしっかりと学び返すことをできていますか? 自分自身の能力を高めていくために最善の努力をしていますか? どこに出しても恥ずかしくない、胸を張れるようなアジャストメントができていますか?」。もし、一つでもはっきりとYesと即答できないものがあるのなら、次回は必ず私に会いに来てくださいね。学ぶことを止めないでください。基本に立ち戻ることを忘れないでください。そして、皆で励まし助け合いながら成長していきましょう!
岡井健(おかい たけし)DC

福岡西陵高校を卒業後、1984年単身アメリカ、ボストンに語学留学。その後、マサチューセッツ州立大学在学中にカイロプラクティックに出会い、ロサンジェルス・カレッジ・オブ・カイロプラクティック(LACC)に入学、1991年に同校をストレートで卒業する。
1992年、カリフォルニア州開業試験を優等で合格。1991年から1995年まで、カリフォルニア州ガーデナの上村DC(パーマー大学出身)のクリニックで、アソシエート・ドクターとして勤務した後、サンフランシスコ空港近郊のサンマテオにて開業。2001年にはシリコンバレーの中心地、サンノゼにもクリニックを開業し、サンフランシスコ・ラジオ毎日での健康相談や地方紙でのコラム連載でも活躍。
また、積極的に留学中の学生たちの面倒を見、その学生たちの帰国を皮切りに日本での活動を始める。科学新聞社(斎藤)との縁は、2005年に出版した「チキンスープ・シリーズ カイロプラクティックのこころ」の監訳に始まり、以降15年以上にわたって出版物、マイプラクティス・セミナ、カイロ-ジャーナル記念イベントなど、またカイロプラクティック・クラブとして「ソウルナイト」(スタート時はフィロソフィーナイト)など、ありとあらゆる場面で協力関係にある。
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