中川貴雄の臨床応用<Web版>番外編
「脊柱モーション・パルペーション」発行から38年
~4月から読み解くためのWeb講座始めます~

 先日、科学新聞社の斎藤さんからWebセミナーへのお誘いがありました。これまでも幾度となくお誘いは受けていたのですが、私の講義は座学と実技によって成り立っているので、実技を伝えにくいWebセミナーには、なかなか踏み込めずにいました。

 しかし、ちょうどそのとき、正しい検査と治療法の修得のために私が主宰している勉強会、「モーション・パルペーション研究会 (MPSG)」 について、いろいろ相談に乗ってもらっているときだったので、今回のお誘いをいただいてすぐに、Webセミナーを利用して38年前(1985年)に著した「脊柱モーション・パルペーション(MP)」を解説してはどうかと頭に浮かびました。

 徒手療法を学び始めて57年、その中の50年をカイロプラクティックの教育と臨床に関わってきました。その間、患者の治療が上手くいかずに悩んでいる方々を、イヤというほど目の当たりにしてきました。その悩みの多くが、カイロプラクティックやオステオパシーなど(以下、徒手療法)の基本的検査法と治療法を正確に教えられていない、学んでいない、あるいは教えられているが身についていないため、「何かよくわからないけれど、関節を動かせば何とかなるだろう」という、あいまいな治療に終始しているからじゃないのかなと感じ続けていました。

 その「治療ができないと悩んでいる方々」に対して、実践に特化し徒手療法の基本検査法であるMPと、それに基づいたやさしく、かつ安全な治療法であるマイクロ牽引法やモビリゼーションが学べる勉強会をと考え、15年前に立ち上げたのがMPSGでした。このMPSGでのMPと、その検査結果に基づく安全な治療法の実践は、少なからず徒手療法に悩んでいた方々にとって大きな効果があったと感じています。

 それと同時に、実践を重視するがために、もう一つの大切な事柄であるMPに関する知識や考え方、そしてその応用法をお話しする機会が少なかったとも感じていました。

 お陰様で著書「脊柱MP」は、書籍で1万5千部以上、ビデオとDVDで5百セット近く売れていると聞いています。しかし手にしたものの、この本によってMPを自由に使いこなすことができない方も少なからずおられると思います。

 何が書かれているのか理解できないとか、言っていることはわかるけど実際の臨床に使うことが難しいとか、また勉強しているMPをもっと理解したいなどと思っている方のために、「脊柱MP」の解説をしていけば、このようなフラストレーションを少しでも解決することができるのではないかと考えたのです。Webを使えば制限なしに「脊柱MP」を解説できそうです。また、皆様の「脊柱MP」に関する疑問にもお答えすることもできそうです。

※4月からのWebセミナーにつきましては、詳細が決定次第ご案内いたします。

書籍「脊柱モーション・パルペーション」についてはこちら


中川 貴雄(なかがわ たかお)
昭和23年2月、三重県鳥羽に生まれる。昭和53年、米国カリフォルニア州ロサンゼルスのロサンゼルス・カイロプラクティック大学(LACC、現・南カリフォルニア健康科学大学SCUHS)卒業、ドクター・オブカイロプラクティック(D.C.)取得。カリフォルニア州開業試験合格。同地にてナカガワ・カイロプラクティック・オフィスを開業するかたわら、母校LACCで助手、講師を経て、昭和62年まで助教授としてテクニックの授業を受け持つ。その間、昭和56年には全米カイロプラクティック国家試験委員も務める。カリフォルニア州公認鍼灸師。平成11年、帰国。大阪にて中川カイロプラクティック・オフィス開業。
一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)前 会長
モーション・パルペーション研究会(MPSG) 会長
明治鍼灸大学(現 明治国際医療大学)保健医療学部 柔道整復学科教授
宝塚医療大学 柔道整復学科 教授

著書
脊柱モーション・パルペーション
カイロプラクティック・ノート1&2
四肢のモーションパルペーション上下
四肢のマニピュレーション
他 
訳書
関節の痛み
オステオパシー臨床マニュアル
オステオパシー・テクニック・マニュアル
カイロプラクティック・セラピー

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