著者のことば
私の実践するプロトコールは、まず脊椎のアジャストメントから始まる。その理由は様々であるが、主に筋力テストで最も正確な反応を得るためである。したがって、カイロプラクターは、まず最初に脊椎のアジャストメントを行うことが望ましい。
これらのプロトコールはテクニックに対する特異性はなく、実際にカイロプラクティックのあらゆる脊椎テクニックと併せて実施することができる。 ?脊椎をアジャストメントした後、(仰向けにできるだけ水平に寝た状態で)足、次に膝、そして股関節のアジャストメントを行うことを勧める。
そしてその後、手首、肘、そして肩のアジャストメントを行うことを勧めたい。私は通常、末端部分から隣接部分へとアジャストメントを行う。これは特に下肢部分において重要である、なぜなら末端の関節にアジャストメント/モービリゼーションを実施しそれが動くようになると、四肢関節のインジケーターに何らかの変化が現れるからである。
無症候性関節とサブラクセーションを起こしてない関節との違いが分かるようになれば、「固有受容器のノイズ」という概念を理解することは容易である。基本的に私がこのマニュアルのプロトコールで行おうとしていることはこの「ノイズ」を下げることである。これは侵害受容器の過剰発火を和らげることに関連している。
つまり、神経系の異常興奮中枢状態を緩和するということである。私は、まず最初に脊椎を治療し、そして足、膝、股関節へと治療を進め、それから手首、肘、肩の処置を行う。私の臨床経験から言うと、腕と足の3つの関節全てを検査し、適切にアジャストメントあるいはモービリゼーションしなければ、四肢における永続的な痛みの緩和や安定は達成できない。
(本書前書きより)