私は、アメリカのロサンゼルス・カイロプラクティック大学(以下LACC)を卒業後、1978年から1986年まで同大学にてカイロプラクティック教育に携わりました。
アメリカでの講義であったため,まず日本で学んだ「脊柱可動性検査」をもとに、日本語で90分の講義内容を作成し、それを英語に書き直して講義を行いました。この作業を積み重ねた結果、1978年に英文による「脊柱モーション・パルペーション」が完成しました。その後、改めて日本語に訳し直したものを「脊柱モーション・パルペーション」として出版することができました。これは1985年のことです。
以来40年にわたり、この「脊柱モーション・パルペーション」を基本として、さまざまな治療法に対応したモーション・パルペーションの研究・開発を続けてまいりました。そして2026年、その集大成として改めて全体を見直し、増補改訂版を出版させていただく運びとなりました。
本版は、オリジナルのモーション・パルペーションに加え、この40年間の進歩を集約した内容となっております。
初版では、カイロプラクティック・アジャストメントという瞬発的な力を用いる矯正法に対応した検査法として、比較的強い力で関節可動性を評価する手法が多く含まれていました。しかし、1999年に帰国して以降は、年齢や自身の身体への配慮から、マイクロ・モビリゼーションやマイクロ牽引法といった、力をほとんど用いない治療法を取り入れるようになりました。それに伴い、これらの治療法に適した、より軽微な力で行うモーション・パルペーションも新たに加えてきました。
本改訂版には、従来の矯正法に適したモーション・パルペーションと、力を用いない治療法に適したモーション・パルペーションの双方を収録しております。
カイロプラクティックをはじめとする徒手療法を効果的に行うためには、それに対応した的確な検査法が不可欠です。検査を伴わない治療は確実性に乏しく、効果にばらつきが生じやすく、ときに症状を悪化させることもあります。本書が、皆様の治療における確実な検査法として役立つことを願っております。
中川 貴雄






中川 貴雄(なかがわ たかお)

一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)前 会長
モーション・パルペーション研究会(MPSG) 会長
明治鍼灸大学(現 明治国際医療大学)保健医療学部 柔道整復学科教授
宝塚医療大学 柔道整復学科 教授
著書
脊柱モーション・パルペーション
カイロプラクティック・ノート1&2
四肢のモーションパルペーション上下
四肢のマニピュレーション
他
訳書
関節の痛み
オステオパシー臨床マニュアル
オステオパシー・テクニック・マニュアル
カイロプラクティック・セラピー